30日カリキュラム / Week 1・土台
Day 5:複利と時間 — 一番の味方
今日のひとこと
昨日は少しこわい話(リスク)でしたね。今日は一転、投資で一番たのもしい味方の話です。しかもこの味方は、お金持ちでなくても、特別な才能がなくても、だれでも平等に使えます。それは、時間です。
今日のねらい
複利(ふくり)のしくみと、「なぜ早く始めるほど有利なのか」を、感覚でつかむこと。
複利=「利息が、次の利息を生む」
利息のつき方には2種類あります。
- 単利:最初の元本にだけ利息がつく
- 複利:増えた分も含めた合計に、次の利息がつく(雪だるま式)
たとえば100万円を年5%で運用したとして(あくまで計算上の例です)、こうなります。
| 経過 | 単利 | 複利 |
|---|---|---|
| 10年後 | 150万円 | 約163万円 |
| 20年後 | 200万円 | 約265万円 |
| 30年後 | 250万円 | 約432万円 |
最初は差が小さいのに、後半になるほど複利が大きく伸びていきます。「増えた分が、また増える」をくり返すからです。時間が長いほど、雪だるまは大きくなります。
同じ金額、同じ利回りでも、始めるのが早い人ほど有利になります。これは資金力の差ではなく、時間の差です。だから「若い」「今日」が、それだけで価値になります。 (※利回り5%は説明のための仮の数字です。実際の投資にこの利回りの保証はありません。Day 4のとおり、リターンには必ずリスクが伴います。)
72の法則(暗算で複利を感じる)
複利を直感でつかむ、便利な目安があります。
72 ÷ 年利(%)= お金が約2倍になる年数
- 年3% → 72 ÷ 3 = 約24年で2倍
- 年6% → 72 ÷ 6 = 約12年で2倍
この法則は、詐欺を見抜くのにも使えます。「毎月10%増える」と言われたら、72 ÷(10×12)で、計算上1年たたずに2倍。そんな運用が続くなら、世界中の富がそこに集まるはずです。現実にはあり得ない、とすぐ判断できます。
公式ソースで確かめる
- 日証協「投資の時間」 … 長期・複利の効果 → https://www.jsda.or.jp/jikan/
- 金融庁 NISA特設サイト … 長期でコツコツの考え方 → https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/
- 東証マネ部! 投資ゼミ → https://money-bu-jpx.com/basic/
詐欺レーダー
詐欺師も複利が大好きです。ただし彼らが使うのは「ありえない速さの複利」です。
- 「日利1%、複利で回せば1年で◯倍!」
- 「再投資すれば資産がねずみ算式に!」
72の法則を思い出してください。短期間で2倍、3倍になる複利は、現実の経済には存在しません。あるように見せているなら、その原資は「後から入った人のお金」です。いずれ必ず破綻します(ポンジ・スキーム)。
本物の複利は、退屈なほどゆっくりです。「速い複利」を見たら、それは赤信号だと思ってください。
今日の一歩(1つだけ)
72の法則で、ひとつだけ計算してみてください。「年利○%なら、72 ÷ ○ = 約□年で2倍」。
たとえば「年4%なら約18年で2倍か」。この“ゆっくりさ”の感覚こそ、本物と偽物を分ける物差しになります。
つまずきやすいポイント
- 複利は「ほったらかしで増える魔法」ではありません。途中で下がる年もあります(リスク)。長く続けて、はじめて効いてくるのが複利です。だから「すぐ結果を求めない」姿勢とセットになります。
- 「もう若くないから手遅れ」ではありません。複利は、始めた今日からの残り時間で効きます。一番若いのは、いつでも「今日」です。
明日は土台の総仕上げ。投資の前に必ず固めておきたい「自分の家計」と「守るお金」の話です。