30日カリキュラム / Week 4・心理・暗号資産・実践
Day 28:もしもの備え(証券会社が潰れたら?)
今日のひとこと
「もし、お金を預けた証券会社が潰れたら、自分の資産はどうなるの?」。とても自然な不安です。今日は、その不安に制度の面から答えます。日本には、ちゃんと安全網があります。過度にこわがる必要はありません。でも、何でも守られるわけではないことも、正直にお伝えします。
今日のねらい
分別管理と投資者保護基金のしくみを知り、「守られる範囲」と「守られない範囲」を理解すること。
安全網①:分別管理(一番大事)
法律で、証券会社は、自社のお金と、顧客から預かった資産を、分けて管理する義務があります。これを分別管理といいます。
- だから、証券会社が破綻しても、あなたの資産は基本的にあなたのものとして返ってきます。
- 銀行預金とは少し違う考え方で、「預けた株や投信は、会社の財産ではなく、あなたの財産」として分けて守られています。
これが第一の、そして最も重要な安全網です。
安全網②:投資者保護基金(万一のとき)
では、もし分別管理がきちんと行われておらず、資産を返せない事態になったら。そのときの備えが、日本投資者保護基金です。
- 国内で営業する証券会社は、原則この基金への加入が義務です。
- 万一、分別管理の不備で資産が返還できない場合、1人あたり上限1,000万円まで補償されます。
- → https://jipf.or.jp/
二段構え(分別管理+保護基金)で、証券口座の資産はかなり手厚く守られています。
ただし「対象外」もある(正直な注意)
万能ではありません。Day 24で触れた、重要な線引きです。
- 暗号資産や、店頭デリバティブ取引などは、投資者保護基金の補償対象外です。
- 投資による値下がりの損失は、当然ながら補償の対象ではありません(それは制度の役目ではなく、リスクそのものです)。
つまり、「会社が潰れる」リスクは、制度がかなり守ってくれます。でも「投資で値下がりする」リスクは、あなた自身が分散(Day 19)と長期(Day 5)で備えるものです。守られる部分と、自分で備える部分を、分けて理解しましょう。
公式ソースで確かめる
- 日本投資者保護基金 → https://jipf.or.jp/
- 日証協「投資の時間」(投資者保護の解説) → https://www.jsda.or.jp/jikan/
- 金融庁 登録業者一覧(そもそも登録業者を使う前提) → https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyo.html
詐欺レーダー
「破綻が不安」という気持ちも、つけ込まれます。
- 「銀行や証券は危ない。より安全な保管先として、この特別なところに資産を移しましょう」 … 不安を煽って、無登録・無保護の場所へ資産を移させる手口です。
- 「分別管理されない海外の業者の方が有利」 … 保護の枠外=危険。逆です。
- とくに暗号資産への誘導は、「保護対象外」という弱点を見えなくしたまま勧められがちです。
本物の安全網(分別管理・保護基金)は、登録された正規の証券会社にいてこそ働きます。「正規の枠の外の方が安全」という話は、まず疑ってよいのです。
今日の一歩(1つだけ)
2つの言葉を覚えてください。「分別管理」(資産は分けて守られる)と、「1人1,000万円補償」(万一のときの投資者保護基金)。
この2語を知っているだけで、「証券会社が潰れたら全部パー」という漠然とした不安は、かなり小さくなるはずです。
つまずきやすいポイント
- 「補償があるから、どんな投資も安全」ではありません。守られるのは会社破綻の一部であって、値下がりは守られません。ここを混同しないこと。
- 「銀行預金」と「証券口座の資産」は、守られ方が違います(預金は預金保険)。仕組みが別、とだけ知っておけば十分です。
明日は、いざ困ったときの相談先一覧。そして、このサイトが用意している「無料相談」についてもお話しします。一人で抱えないために。