30日カリキュラム / Week 3・制度と株
Day 19:分散投資とアセットアロケーション
今日のひとこと
今日は、投資の安全運転の心臓部です。「卵を一つのカゴに盛るな」という、昔からの知恵を実践に落とします。派手な必勝法ではありません。でも、長く生き残る人がみんな使っている、地味で強い考え方です。
今日のねらい
分散には3つの軸(資産・地域・時間)があると知り、「リスクをならす」発想を持つこと。
なぜ分散するのか
Day 4で学んだとおり、リスクは「ブレ」です。1つのものに全部を賭けると、それが転んだとき、全部が一緒に転びます。いくつかに分けておけば、1つがダメでも他がカバーし、全体のブレが小さくなる。これが分散の効果です。
分散はリスクをゼロにはしませんが、ならして穏やかにします。Day 12の投資信託が「初心者の味方」なのも、1本で自動的に分散できるからでした。
分散の3つの軸
① 資産の分散
値動きの性格が違うものを組み合わせます。たとえば株式(攻め)と債券(守り)。Day 10〜11で「性格が逆」と学びましたね。逆の性格を混ぜると、片方が下がっても、もう片方が支えになりやすいのです。
② 地域の分散
1つの国に集中しません。日本・先進国・新興国など、世界に広げます。ある国が不調でも、別の地域が補います。Day 13のインデックスには「全世界まるごと」という考え方のものもあります。
③ 時間の分散
一度にまとめて買わず、買うタイミングを分けます。高いときも安いときも、こまめに買い続けることで、買値をならす。これが明日学ぶドルコスト平均法です。
アセットアロケーション=「配分の設計図」
「資産をどの種類に、どんな割合で持つか」という全体の配分のことを、アセットアロケーションと呼びます。実は、長期の結果の大部分は、個別の銘柄選びより、この“配分”で決まると言われています。
- 攻めたい・時間がたっぷりある → 株式の比率を高めに
- 安定重視・使う時期が近い → 債券・現金の比率を高めに
正解は人それぞれ。自分が夜ぐっすり眠れる配分が、あなたにとっての正解です。
公式ソースで確かめる
- 日証協「投資の時間」 … 分散投資・長期投資 → https://www.jsda.or.jp/jikan/
- 金融庁 NISAを知る … 長期・積立・分散の考え方 → https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html
- 東証マネ部! → https://money-bu-jpx.com/basic/
詐欺レーダー
分散の真逆を勧めてくるのは、強い危険信号です。
「分散なんて非効率。この1つに全部突っ込めば、一気に増える」「自信があるなら集中投資」
集中は、当たれば大きいですが、外れれば致命傷です。初心者に集中投資を勧めるのは、たいてい売り手の都合(その商品を大量に買わせたい)です。本物の公的情報は、口をそろえて「長期・積立・分散」を基本に据えています。
- 「1点集中で爆益」は、Day 3の投機・ギャンブル寄りの発想です。
- とくに「全財産を1つに」は、Day 6の生活防衛資金すら崩させる、最悪のパターンです。
「卵を一つのカゴに」と勧めてくる人がいたら、そのカゴを売りたい人だと思ってください。
今日の一歩(1つだけ)
自分の感覚で確かめてください。「手持ちを全部1つに入れる」のと、「いくつかに分けて入れる」の、想像して、不安が小さいのはどっちでしょう。
たいていの人は「分ける」方が安心するはずです。その安心感こそ、分散の価値です。安心して続けられること。それが、長期投資では何よりの武器になります。
つまずきやすいポイント
- 「分散すれば絶対損しない」ではありません。市場全体が下がる局面では、分散していても下がります。ブレをならすだけで、無敵ではありません(Day 4)。
- 「たくさんの商品をバラバラに買う=分散」とも限りません。中身が同じものを何個持っても、分散にはなりません。1本で世界に分散する投信なら、それ1つで十分なこともあります。「数」より「中身の重なり」を見ましょう。
明日は時間の分散の主役、ドルコスト平均法。「淡々と積み立てる」ことが、なぜ感情に勝てるのかを解き明かします。